ベルト蛇行とローラー加工 / ベルトコンベヤ -11

1. ベルトの蛇行とトラブル
蛇行とはベルトコンベヤのコンベアベルトが、進行方向に向かって左右にずれながら走行することです。片寄りとも言います。
ベルトの蛇行により下記のトラブルが発生します。
・ベルトの端がフレーム等に当たり欠損する。
・搬送物がこぼれる。
・蛇行を修正するために費用と時間が掛かる。蛇行を修正する期間は搬送物を運べない。

2. ローラーの加工による蛇行防止対策について
ベルトコンベの部品のローラー、プーリーをなるべくベルトが蛇行しないよう製作します。その内容には下記2つの加工方法があります。
1)クラウン加工
ローラーの鋼管、パイプの両端を若干勾配が付くように削ります。
鋼管の上半分を想像してください。極端ですが/ ̄\のように勾配をつけ削ります。この勾配を通常クラウンと呼びます。この加工を行う事により、コンベヤベルトが走行中にベルトコンベヤの真ん中の方向に寄ろうとします。このクラウン加工によりベルトの蛇行を防止できます。
このクラウン加工の勾配の角度及び範囲、位置はゴムベルトと樹脂ベルト、あるいはコンベヤベルトの種類で異なります。クラウンを削る角度と加工する範囲、位置はコンベヤベルトと密接な関係があります。

2)V溝加工
ベルトが蛇行しないようにコンベヤベルトの裏側全長に渡り、真ん中1ケ所あるいは両端合わせて2ケ所突起物を取り付けることがあります。その突起物はVベルト\_/のような構造で裏桟あるいはV桟と呼ばれています。このベルトの裏桟がローラー、プーリーの溝に沿って走行することによりベルトの蛇行を防止します。ローラー、プーリーをベルトの裏桟に合わせた溝を加工することによりベルトの蛇行を防止します。この溝をV溝と言います。
この裏桟の大きさ寸法、材質はゴムベルト、樹脂ベルトによって異なり、多くの種類があります。搬送物、単位時間当たりの搬送量、ベルトの種類等により選定が必要です。その選定された裏桟の内容に従いローラー、プーリーのV溝加工を行います。


下記はクラウン及びV溝加工を行ったローラーの写真です。

V溝加工付テールプーリー 2018.1.9

 

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