”カーブ” モジュラーベルトコンベヤについて / ベルトコンベヤ – 5

動画はカーブモジュラーベルトコンベヤの試運転の様子です。1本のベルトで直線とカーブの搬送が可能なのはモジュラーベルトコンベヤのみです。

 

カーブモジュラーベルトコンベヤについて

1.カーブベルトのカーブ部での力の分散について
大きな特徴であるカーブと直線が1本のベルトの場合、それに対応した構造にする必要があります。より的確な構造にする為に、先ずはカーブ部及びカーブ部周辺のベルトに対してどのように力が掛かるのか、それを把握する必要があると思います。
カーブベルトの場合ベルトのカーブ面の内側に大きな負荷が掛かります。その負荷はカーブ部の内側に向かって集中します。カーブ部をベルトは常にカーブ内側に取り付けられたレールに沿って進行します。そのカーブ部内側のレールはたいへん磨耗が激しい箇所となります。ベルトカーブから直線部へ戻る部分が負荷が最大になり最も磨耗が激しい箇所です。それは、リターン側、戻り側でも同じことが言えます。
又、ベルトに対する引っ張リの力つまり張力は、カーブ部の外側に最も大きく掛かります。そのためベルト選定の基準である張力は最も大きなカーブ部の外側に掛かる力を許容ベルト張力とする必要があります。
しかし、実際はこの負荷あるいは張力はモジュラーベルトの材質がプラスチックであるため、その特性の弾性によりベルト全体でその力を分散させているようです。
又、一本のモジュラーベルトでのカーブの箇所の数には限界がおのずと出てきます。カーブの数が多いとそれに伴うベルトの大きな張力が必要となります。通常限界の1本のベルトでのカーブの箇所は多くて2ケ所程度です。しかし、ベルトによっては1ケ所のみでそれ以上は張力が足りない場合が多いです。   

2.カーブ部のトラブルについて
カーブ部での起こり得るトラブルとしては下記2点でしょうか。
1)ベルトの浮き上がり
2)ベルト内側のレールの乗り越え

1)の対応としては浮き上がり防止用の引っ掛け状のタグを取り付いたベルトを使用します。
そのタグに沿ってベルトが進行するようにフレーム側にレールを取り付けます。但し、弊社の過去の経験では浮き上がりの現象は起きたことがありません。

2)については乗り越えないようなレールの構造にする必要があります。
実際弊社でも試運転では問題なかったのですが、判別しにくいリターン側でこのトラブルが発生しました。予想以上に内側に対しては負荷がかかるものです。特に、カーブ部以前のテール側(後ろ側)の直線部の距離が短い場合は注意が必要のようです。弊社の経験より記載しています。

3.カーブ前後が短機長な場合
設置場所の関係上ベルトメーカー推奨距離より直線部が短機長である場合が多々あります。
直線部が短機長な場合、先端回転シャフトに取り付いたスプロケットとベルトの噛み合いが悪くなります。そのため、若干騒音がする場合があります。
又、カーブ部への影響も少なからずあるようです。特にリターン部の内側のベルトのレールへの乗り上げには注意が必要です。 

1)テール部、従動側(後ろ側)が短機長な場合。
カーブ部のカーブ方向とは逆側のスプロケットの噛み合いが悪くなる傾向があります。しかし、通常あまり不安視するまではないようです。どうしても100%解決を試みるのであればテールシャフト部を緊張装置とし、スプロケットへのベルトの掛かり具合を調整する方法があります。
しかし、どこまで調整できるか未知数なところがあります。

2)ヘッド部、駆動側(前側)が短機長な場合。
なるべく避けたい構造です。モジュラーベルトは駆動側の回転シャフトのスプロケットに引っ掛かりながら進行します。ヘッド部が短機長ではその噛み合いが悪くなるため、トラブルの原因になる可能性があります。
現象としてはテール部と同じくカーブ方向とは逆のスプロケットとベルトの噛み合いが悪くなります。最も力が掛かる部分なためそのままの状態では騒音も大きくそしてスプロケットあるいはベルトの磨耗に激しいものがあります。その対応としては駆動部をベルトの半分をスプロケットとし、残り半分をドラム形のローラーとする方法です。スプロケットは噛み合いが良いカーブ部の内側半分のみとし、残り半分はスプロケットをなくし、ローラーとします。その場合スプロケットは数を集中させて取り付けます。

4.浮き上がり防止について
カーブ部ではベルトに対して均等に負荷そして張力が掛からないため現象としてベルトの浮き上がりが想定されます。そのため通常は浮き上がり防止用のタグをベルトの下側に取り付け浮き上がりを防止します。
しかし、弊社では浮き上がりの現象を過去経験した事はありません。必ず取り付けているのも万が一を考えての対応と言えます。
又、カーブ部では忘れてはいけないのがリターン側の浮き上がりです。リターン側は目が行きにくいのですが搬送側キャリア側同様に浮き上がり防止対策が必要です。通常ベルトを押さえるレールを取り付けます。

モジュラーベルトはこちらのサイトをご参照下さい。

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